しゃべる才能。育てる空気。
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「◎◎ちゃん、ボール持って、『鬼』やってくれる?」
「いやだー」
「木のぼりしたいー」
9月28日、朝8時半から、元気に練習しました。翌日は あびこRS、ツクバリアンズJr. と3チームでの交流大会で、我孫子までお出かけです。ワールドカップ関連のイベントもあり、月に1回、2回はお出かけ活動。平日を含め、各小学校でのラグビー体験イベントも開いています。
「月に1回くらいは試合をしたいね」と、コーチで話し合い、今年はこのようなスケジュールになっています。
さて、冒頭のやりとりは、コーチと幼児たちのものです。
みんな、やりたいことがあっていいな! 鬼ごっこ一つやるにも、子供たちは色々と提案をしてくれます。
「バナナ鬼やろう!」
「それ、どうやるの」(大人)
「鬼に捕まったら、バナナになるの。味方がしてくれたら(タッチ)また人間に戻るの」
「あー。凍り鬼と一緒かな」(大人)
「?……(世代間ギャップ)」
こうして、自分たちのやることに自ら提案をしたり、ルールを決めよう、アレンジしようとする意欲は本当に貴重だと思います。ここで大人が頭ごなしに「今日は普通の鬼ごっこでいい!」などと自分の予定したメニューを押し通しにいくと…
もちろん、子供たちはそれでも遊んでくれますよね。大人に合わせてくれます。
しかし、子供からの発信は少しずつ減っていくでしょう。あまりにもったいない。
自分で企画したり、取り組んだりするものには誰しも夢中になれます。反対に人に「やって」と言われたものは、それを自分の動機として取り込むのには時間がかかりますよね。「どうしてもっと真剣にやらないんだろう」「集中してやらないんだろう」選手に向かってそう言いたくなるとき、選手からすれば「やらされている」と感じているのかもしれません。
彼らが中学生になる頃、ラグビーチームの性格は二つに分かれます。試合や練習で、互いにしゃべれるチームと、そうでないチームです。幼児小学生時代にコーチに口を塞がれた子にとっては、発信したり、自ら課題を見つけて取り組むことがとても難しく感じます。本人にそうしたい気持ちが芽生えても、声を発するのには大きな心のカベを超える必要があります。
目先の勝ち負けや、スキルよりももっと根源的な、将来の彼らのモチベーションの種。それが発信、発言と深く結びついています。ここは、みんなが表現をしていい場所、ラグビーの場がそうであり続けてほしいと願っています。
「ねー、次、◎◎ちゃんにも鬼やらせてよ」
「もー、鬼二人にしようよ」
しっかり大人が聞けば、たいていは矛を収めてくれるのですが、この日はみんなノリノリで収拾が…笑。
幼児グループの提案が止まりません。たくさん話して、大きくなれー。(なるみ)